オートステアリング
オートステアリングでは、トラフィックアウェア クルーズコントロールに基づき(トラフィックアウェア クルーズコントロールを参照)、Model 3が設定速度で走行中に走行車線を維持します。オートステアリングでは、Model 3を隣の車線に移動するために方向指示器を使用することも可能です(自動車線変更 を参照)。オートステアリングが車線区分線および車両と物体の存在を検出してModel 3を動かすアシストを行ないます。
オートステアリングの操作
オートステアリングを利用するときは、事前にタッチスクリーンで
を選択し、この機能を有効にしておく必要があります。オートステアリングを起動するには、ドライブ レバーを素早く2度続けて一番下まで下げます。

オートステアリングでは、周囲の交通状況に注意を払い、ハンドルに両手を置いておくことを注意喚起するために、タッチスクリーンに短いメッセージを表示します。
オートステアリングを開始できる速度は、さまざまな条件や前方に車両が検出されているかどうかによって異なります。前方に車両が検出されていない状態では、30 km/h以上の速度で走行していないと起動できません。ただし、一定の車両条件と環境条件が満たされていれば、それより遅い速度でも起動できます。前方に車両が検出されている場合、自分の車両がたとえ静止していても、Model 3から少なくとも、150cm離れていれば、オートステアリングを任意の速度で起動できます。
オートステアリングが一時的に利用できない状況では、オートステアリング アイコンが消えます。たとえば、運転速度がオートステアリングの動作に必要な速度内にない場合などです。オートステアリングがカメラから適切なデータを受信していない場合も、オートステアリングが利用できないことがあります。
オートステアリングが車線マーカーを検知できない場合、追従する車両を元に車線区分を決定します。
オートステアリングは通常、 Model 3 に走行車線の中央の位置を維持させようとします。ただし、オートステアリングが車線の中心からオフセットされた走行経路でModel 3をハンドル操作する場合があります(たとえばガードレールが検出された場合)。
速度制限
進入制御された高速道路では、巡航速度はスピードアシストで設定したオフセットを考慮して、制限速度を反映します。住宅地や中央分離帯のない道路、または侵入が制限されていない道路でオートステアリングの使用を選択すると、オートステアリングにより許容される最高巡航速度に制限が入り、タッチスクリーンに速度が制限されていることを伝えるメッセージが表示される場合があります。制限速度は、道路の制限速度に 10 km/h プラスした値です。
オートステアリングが起動していて制限速度を検出できない場合、巡航速度はオートステアリングによって時速70 kmに制限されます。制限速度を超えて加速することはできますが、Model 3 は検出した障害物に合わせてブレーキをかけることができなくなる場合があります。アクセルペダルから足を離すと、オートステアリングはこの制限速度まで減速させます。その道路から離れるか、またはハンドルを動かしてオートステアリングをオフにすると、必要に応じて再度設定速度を上げることができます。
ハンドルを握る ハンドル
オートステアリングはModel 3のハンドル操作支援を決定します。オートステアリングがオンになっているあいだは、ハンドルを握っておく必要があります。一定時間ハンドルがドライバーの手を検知しないと、タッチスクリーンにある「車両の状態」セクション上部に青色ライトが点滅表示され、次のメッセージが表示されます。
オートステアリングは、ハンドルを回したときの軽い抵抗や、ハンドルをわずかに(ハンドル制御が切り替わらない程度に)回す動作から運転者の手を検知します。
またオートステアリング使用時は、ドライバーは周囲に注意を配り、すぐに運転を代われるように備えていなければなりません。それでもオートステアリングがハンドルに置かれる手を検出しない場合は、タッチスクリーンの車両ステータス セクションにあるライトの点滅が速くなり、チャイムが鳴ります。
ハンドルに手を置くよう促すオートステアリングの注意を繰り返し無視すると、残りの運転でオートステアリングは無効となり、自分で運転するようメッセージ表示します。手動で運転を再開しないと、オートステアリングは連続してチャイム音を鳴らし続け、警告灯を点滅し、走行速度を落として停止させます。
次の運転まで、オートステアリングを使用することはできません。オートステアリングは、次回の運転でも再び利用できます(停車しModel 3をパーキングに切り替えた後)。
オートステアリングが停止します
オートステアリングのキャンセル
オートステアリングは次の時に動作をキャンセルします。
- ブレーキ ペダルを踏んだ場合。
- 手動でハンドル操作を開始した場合(かすかな動きであっても)。
- オートステアリングが動作できる最大速度の時速 150 kmを超えています。
- ギア レバーを上方向に動かした場合。
- ドアが開いた場合。
- 自動緊急ブレーキが作動したとき(衝突回避アシスト参照)。
オートステアリングをキャンセルすると、オートステアリングはチャイム音を鳴らし、アイコンをグレーにしてオートステアリングが無効になっていることを示すか、アイコンを完全に消してオートステアリングが現在利用できないことを示します。
オートステアリングを無効にして利用できない状態にするには、
の順にタッチします。自動車線変更
オートステアリングが有効なときは、方向指示器を使用するとModel 3を隣の車線に移動することができます(ハンドルを動かすとオートステアリングはキャンセルされます)。

自動車線変更機能の操作
自動車線変更は、オートステアリングが有効になっていればいつでも利用できます。自動車線変更機能を使用した車線変更:
- 目標車線への移動が安全で適切であることを確認するために目視チェックを行います。
- ハンドルに手を置いたまま、方向指示器を作動させます。
- 必要に応じて、目的の車線に入ったら、方向指示器を解除します。
自動車線変更機能は、次の条件が満たされた場合、方向指示器が示す隣接した車線にModel 3を移動するアシストを行います。
- 方向指示器を作動している。
- 自動車線変更機能は、手がハンドルに置かれていることを検知しています。
- Model 3 死角にある車両、または目標車線の中心まで車両や障害物を検出しません。
- この車線区分線は車線変更が行えることを示しています。
- 車線変更の途中で、Model 3 は目標車線の外側車線マーカーを検出する必要があります。車線区分線を検出できない場合は、車線変更は中止され、Model 3は元の車線に戻ります。
- カメラの視野が遮られていない。
自動車線変更を実行中に、追い越し加速が作動し Model 3 が前方の車両に近づくように加速します(追い越し加速を参照)。
自動車線変更機能を使用している場合は、前方の運転経路と周囲の状況を注視し、自動車線変更機能の動作を見守ることが重要です。いつでもハンドルを引き継げるように準備しておいてください。隣の車線に入ると、タッチスクリーンに、Model 3が入った車線の場所が表示されます。
自動車線変更機能が最適な性能を発揮できない場合、またはデータが不十分なために機能しない場合、タッチスクリーンが連続した警告を表示します。自動車線変更機能の使用中は、常にタッチスクリーンに注意を払い、必要に応じて常時 Model 3 のハンドルを手動で制御できるようにしておく必要があります。
隣接する車線の走行速度
隣接する車線を走行する車両より著しく速い速度で走行しているとき、Model 3は自動的に走行速度を減速します。これは、交通量が多い場合や他の車両が頻繁に車線変更するような状況などにとても効果的です。Model 3が他の車両が非常に低速であることを検知すると、タッチスクリーンでは隣車線が矢印でハイライト表示され、検知された車両は灰色に表示され、Model 3は適宜減速します。一次的にこの機能を無効にするためには、アクセル ペダルを踏み込みます。
赤信号と一時停止標識の警告
オートステアリングの使用中に、赤信号や一時停止標識を通過しそうなことを検出した場合、Model 3は、「タッチスクリーン」上に警告を表示し、チャイム音を鳴らします。これが表示されたら、直ちに是正措置を取ってください。
2、3秒後、またはブレーキペダルを踏む時のいずれか早い方で、視覚および音声警告はキャンセルされます。
赤信号および一時停止標識の警告これにより、赤信号、一時停止標識、路面標示などでModel 3は減速や停止することはありません。信号機/一時停止標識コントロール装備車の場合は、この機能を有効にすることで信号機や一時停止標識でModel 3が自動的に停止します(信号機と一時停止のコントロールを参照)。
制限事項
オートステアリングおよび関連する機能は、特に以下の状況下では設計どおりに動作しない可能性があります。
- オートステアリングが車線マーカーを正確に認識できない場合。たとえば、車線マーカーがひどくかすれている、以前のマーカーが見えている、道路工事のために車線マーカーを変更している、車線マーカーが短区間で変更されている(車線の分岐、交差、合流で)、車線マーカーに物体や景観物が影を落としている、あるいは道路の表面に舗装の継ぎ目あるいは他のコントラストの高い線があるといった状況。
- 視界不良(豪雨、降雪、濃霧など)あるいは気候条件がセンサーの動作を妨げている場合。
- カメラまたはセンサーがふさがれていたり、覆われていたり、損傷している状況。
- 坂道を運転している時。
- 料金所に接近している時。
- 運転している道路が急カーブしている場合、または過度にでこぼこしている場合。
- 明るい光(直射日光など)がカメラの視野を妨げている。
- センサー(装備されていれば)が超音波を発する他の電子機器の影響を受けている場合。
- 方向指示器を出した時に、死角に車両が検出された場合。
- Model 3 が走行中に前方車両に近づきすぎて、 カメラの視界がさえぎられている場合。