トラック モード
プラッドModel S車両でのみ利用できるトラックモードでは、クローズドサーキット コースを走行しながら、車両のスタビリティ コントロール、トラクション コントロール、回生ブレーキ、冷却システムを変更し、パフォーマンスとハンドリングを向上します。トラック モードは、モーター、回生ブレーキと、通常のブレーキシステムをスマートに操作してコーナリング性能を向上します。有効になっている場合、冷却システムは通常より高い冷却性能を発揮して、ハードな走行で加熱した車両システムを冷却します。
トラック モードにおいて、アダプティブ サスペンション ダンピングのハンドリングおよび車体制御が最適化され、ドライバーはダイナミックな操作をより自信を持って行えます。車高は自動的にLowに設定され、荒れた路面でも快適性を維持できるようサスペンションが自動的に上昇することがなくなります。
トラック モードの使用
トラック モードは、Model Sの始動時は無効になっています。現在の運転でトラック モードを有効化し、パーキングにシフトし、次の手順に従ってください:
- の順にタッチします。
有効化されると、「トラック」の文字がタッチスクリーンの運転速度の上に表示され、地図にトラック モード ポップアップが現われます。トラック モード ペーンにはバッテリーおよびモーターに関する重要な一目でわかるステータス情報(車両健全性のモニタリングを参照)およびリアルタイムの加速度計(Gメーターを参照)が表示されます。
- 必要に応じて、タッチスクリーン上のトラック モード ペーンで「カスタマイズ」にタッチすることで、トラックモードの設定をカスタマイズすることができます(トラック モードのカスタマイズを参照)。また、トラック モード設定には、の順にタッチし、トラック モードオプションの隣にある 「設定」をタッチすることでもアクセスできます。注最適なパフォーマンスを得るためには、黄色または赤色の表示が出たら、バッテリーおよびモーターの温度が下がるまで待ってください。
- 必要に応じてラップ タイマーを始動します(ラップタイマーの使用を参照)。
- ギヤを入れてスタートします!
ラップタイマーを始動すると、タイマーは開始/終了位置を通過するごとに次のラップに備えてリセットされます。ラップタイマーの使用を参照してください。
トラック モードがオンの場合:
- オートパイロット 機能は利用できません。
- スタック アシスト設定がオーバライドされています。
- エネルギー消費は増加します。
- エンターテインメント機能は利用できません。
- オートシフト(ベータ版)が無効です(詳細についてはオートシフト(ベータ版)を参照)。
- アダプティブ サスペンション ダンピングの設定は無効になります(トラック モードが自動的にアダプティブ ダンピングを最適化して、アグレッシブな運転をサポートします)。
- 「乗り心地とハンドリング」 と「加速」は「トラック」に設定されています。.
タッチスクリーン設定を使用し、いつでもトラック モードをオフにできます。Model Sの電源を切ると、トラック モードもオフになります(運転後の冷却が進行中の場合は、タッチスクリーンに表示されます)。トラック モードがオフである場合、すべての設定は以前の状態に戻り、すべての機能が通常運転の状態に戻ります。
注運転後の冷却のためにトラック モードが依然として有効であるときに、Model Sの電源をオフにすると、タッチスクリーンにポップアップが表示され、Model Sの電源をオンに戻したときに再び有効化するためのクイック アクセスが提供されます。
最高速度、タイヤおよびタイヤ空気圧
Teslaカーボン セラミック ブレーキを装備したModel Sは、200 mph(322 km/h)の最高速度に到達可能です。
| フロント アクスル最大許容質量 | リア アクスル最大許容質量 | |
| ミシュランPS4S | 1192 kg | 1432kg |
トラック モードのカスタマイズ
トラック モードをカスタマイズするには、トラック モードをオンにすると地図上に表示されるトラック モード ペーンで「カスタマイズ」にタッチします。の順にタッチしてから、トラック モード設定の隣にある「カスタマイズ」をタッチすることでも、トラック モード設定にアクセスできます。Teslaによって提供される、あらかじめ定義されたプロフィールのリストから既存のトラック モード設定を選択します。また、「新しい設定の追加」で設定プロファイル名を入力して、新しいプロファイルを作成し、好みと走行シナリオにあわせて設定を調整することや、特定のトラックのためにカスタマイズすることもできます。
- 「ハンドリング バランス」 - スライダーをドラッグすることで、Model Sのコーナリングでのバランスを調整できます。Model Sがふらふらする場合は、アンダーステアリングなのでフロントバイアスを増やすことで対応できます。車両が曲がりにくいときは、リアバイアスを増やしてみてください。100/0の間で(100%はアンダーステアリングに使用されるフロントバイアス)と0/100(100%はオーバーステアリングに使用されるリアバイアス)、5%のインクリメントで、希望の値を選択することができます。
- スタビリティ アシスト - スライダーをドラッグして、スタビリティ コントロール システムが車両を制御するレベルを選択します。-10~+10まで、希望のレベルを選ぶことができます。+10を選択すると、すべてのスタビリティ アシスト システムが作動して、トラック モードを使用せずに走行している場合と同様になります。-10を選択するとすべてのスタビリティ システムが無効になり、運転のスタビリティはすべてドライバーにゆだねられます。既定の設定0であり、これは一定の範囲でスタビリティが自動的にコントロールされ、ドライバーが残りをコントロールするバランスを表わします。
- パワートレイン耐久性 - トラック モードの設定を変更して、速度が上がるにつれて駆動出力が低減されるようにすることで、長距離走行時の車両の温度管理を改善できます。出力の低減により温度管理が改善され、バッテリーとモーターの過熱速度を抑えるのに役立ちます。出力の低減はラップタイムの低下につながりますが、ラップを重ねたときにより安定したパフォーマンスとタイムを実現します。注パワートレイン耐久性は、バッテリーとモーターの過熱を積極的に防止する機能ではありません。
- Standard: トラック モードにおける標準的な出力レベルで、出力は制限されません。最速の初期ラップタイムを達成できますが、熱によるパフォーマンスの低下が早まり、ラップを重ねたときにラップタイムが安定しなくなる可能性があります。
- 増加:速度が上がるにつれ、出力がわずかに減少します。ラップを重ねてもより安定したパフォーマンスが得られ、中程度の走行距離に最適です。
- 最大:初期のラップタイムは遅くなりますが、ラップを重ねても安定した出力とパフォーマンスが得られます。
- 「回生ブレーキ」 - スライダーをドラッグして利用可能な回生ブレーキの量を選びます。0~100%の間で、5%刻みで値を選ぶことができます。ベースのブレーキを使用する場合、Teslaはオーバーヒートを回避するために100%設定を推奨します。カーボン セラミック ブレーキを装備したModel Sの場合、オーバーヒートを心配する必要はありません。
- 運転後の冷却 - 車両を降りた後に冷却装置で車両の構成部品を冷やし続けたい場合はオンに設定します。構成部品が十分に冷却された場合、あるいはModel Sの電源を切ってもう一度入れた場合、冷却は自動的に止まります。走行セッション間で、速く構成部品の温度を下げたい場合、運転後の冷却が便利です。運転後の冷却がオフの場合でも、構成部品は自然に温度が下がりますが、温度が下がるまでの時間が長くかかります。
- ブレーキ温度(Model SにTeslaのカーボン セラミック ブレーキ キットが装備されていない場合に限って表示されます)- ブレーキ温度およびブレーキ システムに関連する警告を表示することができます。非純正の高性能ブレーキ システムを導入された場合は、非作動にしたいと思われるかもしれません。注オプションのTeslaカーボン セラミック ブレーキ キットを装備しているModel Sでは、警告は自動的に無効になります。
- ラップ時のダッシュカムの保存 - ラップタイマーを使用しているときに動画とデータをUSBフラッシュドライブに保存する場合に有効にします。説明のとおりにUSBフラッシュドライブをセットアップし挿入する必要があります(ビデオ録画のためのUSBドライブの要件を参照)。このUSBフラッシュドライブにはTeslaTrackModeという名前のフォルダがある必要があります。有効にすると、トラックモードは各ラップの動画と関連データを保存します。トラック モードでは、さらに位置、速度、加速、アクセルの使用などに関する詳細の車両ステータスとテレメトリデータを保存します。これにより録画を見ることができ、またUSBフラッシュドライブにCSVファイルとして保存されているこのデータを解析することで、時間を失っているまたは捻出できている箇所がどこかを判断することができます。
現在選択されている設定は、タッチスクリーン上のトラック モード ペーンの左上隅に表示されます。
トラック モードは、トラック モード プロフィールを20個まで保存できます。選択されたプロフィールを削除するには、設定画面の下部の「削除」をタッチします。
ラップタイマーの使用
トラック モードをオンにすると、地図にラップタイマーが表示されます。地図上にラップの開始/終了位場所を定義するピンを置きます。「開始」を押すとドライブ(ラップ計測)セッションが始まります。始まるとラップタイマーはピンのあるラップの開始/終了位置をModel Sが通過した時点で計測を始めます。ラップタイマーが自動的にラップタイムを計測し開始/終了位置を通過するたびにタイマーをリセットし、現在のラップと今回のドライブセッションにおける最速ラップを表示します。地図内では、トラックが青で強調されています。
各ラップの終了後、ラップタイマーには、ラップに費やした時間が表示されます。また、前回のラップや走行セッションにおけるベストのラップに関連した時間も表示されます。
「ラップ時のダッシュカムの保存」がオンで (トラック モードのカスタマイズを参照)、正面のUSBポートに適切にフォーマットされたUSBフラッシュドライブが差し込まれている場合、トラック モードは走行セッションのビデオ (正面のカメラで撮影) を、ラップの詳細情報を提供する.CSVファイルと共に保存します。
車両健全性のモニタリング
トラック モードを使用している場合、タッチスクリーンおよびインストゥルメントパネルを見てModel Sの健全性を容易にモニターすることができます。
タッチスクリーンには、バッテリーおよびモーターの温度を示すバーが表示されます。理想的温度範囲で使用されているとき、これらのバーは無色で表示されます。しかし、バッテリーまたはモーターの性能が温度によって低下し始めると、該当するバーが黄色で強調表示されます。次に、性能がさらに制限されると、バーの色は赤色へと変わっていきます。
インストゥルメントパネルにはタイヤ空気圧の動的指示値が表示され、タイヤ空気圧が低くなるとタイヤ空気圧指示値は赤色になります。
Model SがTeslaカーボン セラミック ブレーキ キットを装備していない場合、インストゥルメントパネルにはフロントおよびリア ブレーキの温度警告も表示されます。
Gメーター
トラック モードでは、タッチスクリーン上のトラック モード ペーンにリアルタイムのGメーターが表示されます。Gメーターは、円形のメーター形で縦方向と横方向のピーク加速度を表示します。走行履歴は陰をつけた部分で表わされます。各走行セッションの最初にGメーターがリセットされます。